突板は、何人もの職人がそれぞれの技術を最大限に発揮し、手間と時間をじっくりかけて作られています。
突板にふさわしい木材を目利きし、その木材の特徴を活かし製材する職人、木材の特長を見極めて美しくスライスする職人、突板の模様を絶妙に組み合わせながら合板に貼り付ける職人。
誰かひとり欠けても突板を完成させることはできません。こうして生まれた突板は、まさに職人たちの技術と経験の結晶と呼ぶべきものなのです。
集材
製材所前土場
1本ずつ丁寧に製材。割り方を検討中。
板目取り製材
最初の加工で、その木材の価値が決まります。適切な場所を適切な角度でカットすることがとても重要です。
スライサー工場
製材後再度形を整えて、スライス加工の準備
スライス加工を行うために木材を機材へセットします。
状態を一枚一枚チェックしながら、機を織るように生まれたての突板を積み重ねていきます。
スライス直後の突板は、水分を多く含んだ「生」の状態です。これを適度に乾燥させます。
5枚から10枚の突板を重ねて棚干しします。自然と対話しながらじっくり乾燥させることで、反りの少ない突板が生まれます。
しっかりと乾燥され、出番を待つ突板たち。静かな時が流れます。
一本の木材から何百枚も生まれる突板なら、一本のこだわりの木材で空間をまるごと飾ることもできます。
化粧板貼加工場
頃合いよく乾燥させた突板を、貼り付ける合板に合わせたサイズでカットします。
貼り付け作業は二人一組で行います。まずローラー式の機械で、合板にしっかりと接着剤を付けます。
木目柄を組み合わせ、すべて手作業で一枚一枚、突板を貼っていきます。
表面の状態を慎重にチェックした後、圧力と100℃の熱をかけて突板と合板をホットプレスで圧着させます。
職人たちの技術がひとつになり、こだわりぬいた突板が誕生していきます